理想的なメンタルヘルスケアプロダクト開発環境について

これも覚え書きです。ぼんやりと考えていることをアウトプットするために書いています。

目次

プロダクトの定義と要素の検討

ここでいうプロダクトは以下のものをイメージしてもらうとわかりやすいです。薬物は除外します。

  • アプリ
  • アナログゲームなどの媒体
  • プロセス(運動プログラム)
  • 器具(運動器具など)

プロダクト開発の要素はなる以下の通りです。

  • 場所
  • プロセス

 ここがまずは、大きく他のプロダクト開発と違います。

プロダクト開発には。

エンジニア 設計士、リーダー、テスターとなりますが、このなかのメンバーにギャップが存在します

  1. メンタルヘルスの専門知識が必要
  2. メンタルヘルスの専門知識といっても実は多岐にわたる(医師、看護、心理、PSW、OTなどで文化や基礎理論の違いがあったりすることがある)
  3. エンドユーザーに近いテスターを用意することに壁がある。(病人であり、精神活動と社会活動に通常より負担が強いため)
  4. 結果的に、リーダーとエンドユーザーの間に強いギャップがおきる。
  5. エンドユーザーがメンタルヘルス提供者と利用者でデザインを変える必要がある。

 この結果、おそらくおきるのが使えば治療的な効果はおきるが、つかってくれないプロダクトが生まれます。治療者側からは使い易いが、ユーザーがつかってもなにも面白くない官能性のない使いたいと思えないプロダクトです。

 では理想的な人の配置は

 ギャップを埋めるためには、基本的にはテスト、開発をシンプルにハイサイクルに低コストで回す必要があります。 

 理想のプロダクトはシンプルにエンドユーザーがお金を払いたくなるようなプロダクトであるべきだからです。

 精神療法利用者のエンドユーザーは経験上、カウンセリングを期待しますが、カウンセリングのことはよくわかっていません。非定型的な認知行動療法を外来でやっていても、「先生、認知行動療法をやらないのですか」といわれることはざらです。これはシンプルに広告効果で本を読めば書いているから希望しているだけで、口コミで”○○治療がよかった”などと効いたことはないです。また多くの精神療法が治療成績が横並びなのは関係性によるファクターがあまりにも大きくて、技法そのものに左右される部分が少ない可能性もあります。

 知識と経験のギャップがあり、これに利用者はお金を払います。精神療法は基本的に提供者が提供しやすい形で洗練されており、またそれがやりやすいからです。昔はこれをパターナリズムと読んでいました。

 では、次の疑問があります。技法が明確に提示されている場合に、利用者はどんな治療を受けたがるでしょう?

 これを個人で試すとなると、その個人はすくなくとも複数の技法に習熟してないと行けません。これには限界があります。すなわち選択制に置ける習熟がおきにくいということになります。

 一つの病院に複数の治療者がいて明示された療法が複数あり、患者が自由に選べて、かつ、治療効果も明るみになっているときには、競争原理が働き、治療法自身が洗練されるという状況になります。そんな病院は少ないです。

  今後、オンライン診療のシェアと研究がすすんでいた場合にはそうなる可能性もあります。患者は自由にカウンセリングを選べ、選択要因の解析がすすめば、改善がすすむと考えられるからです。しかし、それを統括するマネージャーが不在のプラットフォームが多いと思うので時間がかかると思います。そもそも相性は重要視しても技法ありきで選ぶ仕組みがないプラットフォームが多いのではと思います。

 多くの完成された技法は最初の選択性にかんする導入部分のABテストができないまま習熟している印象です。

 患者の治療の効果と選択基準については解離があるということです。

 これは細やかな部分でもそうで、プロダクトのABテストが個人の枠内で行われ、口伝やマニュアルという形でつたえられ技法として完成されているのです。

 つまり、まとめると、精神科のプロダクト開発をしようと思った場合には、従来型のやり方をとらなくてもいいのではと思います。そしてこのまま選択に関するブレークスルーがおきない限り、精神療法が200以上生まれるということと同じようなことがおきると思われます。

 それでは抜きん出たプロダクトをつくるためにはどうしたら良いでしょうか?

 提供者も、利用者もどちらも進んで使いたくなるような利用したくなるような、進んでゲーム課金をしたくなるように、携帯に大金を払うように使いたくなるプロダクトとは何でしょうか?

 これはわかっていればすでに作っています。私が事業を興す必要性なんてなくなります。

 わかっているのは、沢山試す必要があるということだけです。

 すると治療的な枠組みのなかで、テストを回すことが理想的です。しかも、選択判断に関する知見がとにかく重要になります。

 開発者側に多岐の専門知識がある人を用意し、それからテスターに負担がない環境を用意し、そして普通のプロダクト開発よりも試行回数を何倍もできる仕組みがどうしても必要になります。かつ、エンジニアを含むチームも複数用意し、投票制のアイドルチームを用意するかのごとくしないといけません。しかし、これで起こるのはコストの増大です。

 プロダクト開発のテスト部分では多くの場合金銭の授与が発生します。基本的にテストはクローズで行われ開発内容は秘匿されます。沢山回数を重ねるとお金がかかります。場所も人も確保が必要ですべてにお金がかかります。

 しかしテストでお金がかからないものもあります。同人の制作者同士でアナログゲームを開発する場合です。これは条件があって

  • マーケットがニッチで利益率が低く、公開情報にして模倣される可能性が低い。
  • テスター同士お互いにテストする(片方だけの搾取にならない)
  • 基本的にゲームであるので侵襲性を伴わないし、快楽原則が働く。

 つまり模倣されても困らないか、困る可能性が低い、お互い利益享受がある、テスト自体が楽しいということです。

 では、ここで同じようにメンタルヘルスケアプロダクトも同じ仕組みができないかとも考えています。

 つまり、模倣されること前提で公開情報にして開発をする。

 テスターと使用者がお互いにメリットを享受する。(自助グループ活動への援助、居場所提供、無料カウンセリング、ピアカウンセリングの提供)

 それも大勢のテストをするために参考にしたのは三つです。

1)伝統的宗教の地域密着型での展開

2)広島カープやFCバルセロナなどの市民スポーツ団体。

3)AKB48などの地域密着型でファンとの距離が近いエンタメ。

 伝統型宗教はお布施というものを基本収入としながら、教義というプロダクトをおろしているだけですが、寺を中心として催事やピアカウンセリング、地域の課題の収集などなくてはならないインフラになっています。時代とともに大きく変わっていますが、メンタルヘルスケアを考える時に、非常に参考になるビジネスモデルだと言えます。

 広島カープやFCバルセロナは、原爆や民族弾圧を歴史的背景としながら基本、市民の寄付をベースにして成立し方地域密着型でありながら、ファンは地域にとどまりません。特に、FCバルセロナはカンテラという下部組織での人材育成に力をいれており、名選手をいくつも輩出しています。今では市民の寄付に頼らないでも大勢の人にエンタメを提供しています。

 AKB48は応援する快感というものをベースにしたビジネスモデルで、総選挙はニュースになっていました。

 そこで私が考えたビジネスモデルは

  • 地域密着型で他店舗展開、地域でエンドユーザーも含めてチームとする。
  • ニッチな課題であり、大手が見向きもしないような地域やマイノリティの課題をテーマとすること。
  • 情報開示型の開発。どうせ模倣されるなら最初からオープンで行う。模倣されたらそれを再度開発して、さらに改善する。すなわち、マッチを重要とすること
  • テスト時に無料のカウンセリングやケースワークを提供。自助グループ活動も手伝う。
  • 劇場型の開発。メディア展開の広告収入で開発費をおさえる。テスト自体が楽しいようにUXをデザインする。
  • 開発者とエンドユーザーの距離が近い会えるような開発者であること(応援したくなるようなチームを編成すること)
  • ABテストを投票でおこなうこと。他者に模倣された場合にはA/B/Cテストを行う。
  • 応援したくなるような、また応援して楽しいプロダクト開発をみなで共同してやること。

 つまり拠点を地方におき、地方の自助グループやメンタルヘルスケア活動に積極的に参加しながら、テストをかねたピアカウンセリングを定期的に開き、SNSやyoutubeで、開発の経過をつまびらかにし、会員、非会員に投票をしてもらう。 

 会員でテストに時間を割いてもらったりした場合には、ポイントでランクがあがり、例えばプロダクトの時に隠されたメッセージがみれたり、使用できるプロダクトが安く使えたりする。

 他社に模倣された場合にはさらにプロダクト開発を繰り返す。

 仮につけるとしたら、劇場応援プロダクト開発モデルとでもしましょうか。

 デメリットは、模倣される可能性が非常に高い。という一点です。しかし、特許の部分を除けばそもそもお金になるということは=模倣されるということです。

 プロダクト開発の難しさは参入障壁の難しさと特許がとりにくいところで、アイデアがあって開発しても模倣されて開発費を回収できないとなると、小さなメーカーは参入できません。

 そもそもニッチなものはロングテールモデルでやるのがよくて、でもそれだどっかで模倣されたらコストが回収できず即死の状態になります。

 ならば、模倣されてもそれよりも上書きできるような開発力が必要で、でもエンドユーザーとのギャップが激しくないメジャー課題の業界であるなら、優秀なエンジニアとビジョナリーがいれば十分ですが、メンタルヘルスケアにおいては、以下に、エンドユーザーに応援してもらえるか、信用してもらえるかが非常に重要になってきます。既存にはないビジネスモデルではなかなかないモデルなのでやってみないとわからないですが、今のとこをこれ一番見込みがあるモデルではないかと思います。

 こうするとエンドユーザーに世界で一番応援してもらえる企業であることそのものが参入障壁となりますし、ビジネスモデルを模倣されても結果的に盛り上がり市場全体でいえばニッチな課題の解決能力が上がるだけなのでエンドユーザーが困ることはなくなると思います。

 信頼し応援してもらえなかければ使ってもらえないところもあるので開発の段階からそれを築くけば良いのではと思います。

場所

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次