意志決定を迷わないには

 最近、フロー(没頭状態)にはいれる時と入れないときに悩んでいてたまたまyoutuberのサトマイさんの動画を聞いていて、言っていることが説得力があり、わかりやすかったので本を買いました。

 私自身は外来で利用者さんと接するときに、精神療法をはずれ時に精神科というよりはコンサルタントみたいに人生の諸問題にいろいろアドバイスできることはしようと思っています。

 私の精神療法では認知行動療法、ソリューションフォーカスドアプローチをベースで原因検索よりもやや解決志向のアプローチが多く、病気そのものより様々な生活や仕事の諸問題に対してアドバイスをすることも多いです。これは病気そのもののコントロールができない場合、コントロールできるものからのアプローチが有効というよりもそれしかないときもあるからです。病気だけでなくメンタルヘルスのことになると多くのビジネス書や自己啓発本と内容が似てくるのはエビデンスレベルが高いものをベースに話すと当然似てきます。

 最近、自分自身のフローのコントールのためにいろいろ本を探しているところでした、 最初はタイムマネジメントの本だと思って読んだんですが、内容は現在の意志決定に迷わず、フロー(集中状態)を生み出すためにはどうすればいいのかを逆算で書いている本だと私は思いました。

 しかも圧倒的にわかりやすく、エビデンスをきちんとあげている。自身がメンタルヘルスケアのユーザーであったというバックボーンもありなんか私が話している言葉よりもおそらくすごい届く言葉で書かれていると思います。説明がややギークよりですが、発達障害などがあるかたには逆に入りやすいと思います。

 多くの精神科の疾患は結果的に、”ある瞬間の意志決定と行動が現実適応とそぐわない”というアウトプットの問題が必ずあります。(それがなければ障害が表にでません)そのアウトプットを適正にするにはということを、ご自身の経験とデータとインフルエンサーとコンサルタントという経験から書かれたのがこの本だと感じました。

 カップの中のノミの話は学習性無力感の犬の実験がベースなのですが、あの実験は犬好きの人には辛い話なので、ノミのメタファーが圧倒的に使い勝手がいいので、パクらさせてもらいます。

 わかりやすいところから精神科のユーザーさんにすごくお勧めします。

 ただ、気になったのはドーパミン中毒という書き方で、多分、アンナレンブケ先生の”ドーパミン中毒”という本から引用されたと思うのですが、原題がdopamine naton  ドパミン国 みたいな意味なのでもともとの本の訳もちょっとキャッチーすぎるので少し気になりました。大きな瑕疵ではにないと思ってはいますし、もっとフックばかりで大げさで中身が薄いインフルエンサーも多いので書き方に誠実さは感じています。

 ドーパミン自体はそんな悪者でなくて、短期でドーパミンがでる短期の報酬系と刺激による脱感作が問題であってちょっと本質的でないかなと思っているので、ドーパミン中毒という言葉自体にじゃっかんの抵抗があります。

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次