理想の治療とメンタルヘルスとはなにか? 高効率なメンタルヘルスケアとは?

 

 コストが度外視出来る場合、理想のメンタルヘルスケアとは時間と人をジャブジャブ使うことにつきます。

 まずは、心の定義を

 ミクロではシナプス細胞によって定義され、それが、3~5層ほどに階層化され折りたたまれた神経細胞群をベースとして、進化の結果、アンバランスにモジュール化されたもので、外層世界のカオスとフラクタルな振る舞いに神経細胞を通して反応し、大雑把な興奮で生命体の適応をうながす器官をハードとして、シナプスのカスケードを主体とする連結をとおす、情報の総体と定義します。

 次に精神科におけける病の定義ですが、認知症などの器質的なものをのぞくと。

 正常とは外界の入力に対し適応的な出力を返せることで、身体におけるエントロピーの増大を防ぐすなわち死を防ぐことと、繁殖することがゴールになります。

 正常とは結果的にその適切な出力を出せなくなった状態であります。 

 これにはいくつかパターンがあり、コアとなるモジュールがどれになるかで病気にはある程度のパターン化、似たようなフラクタルがみられます。

 気分、意欲だと気分障害、思考ですと統合失調症、コミュニケーションですと、自閉スペクトラム、不安や恐怖などのモジュールの障害ですと、

 コアになる部分の障害を基礎として、脳全体的な機能に外界のフラクタルに対して病的なフラクタルが発生し、悪循環を起こした結果、状態が固定化し、その結果、”病”という形になります。

 それでは治療の定義ですが、薬物療法はこの悪循環部分をとめる治療といっていいでしょう。モジュール化されパターンがあるので、そのパターンを変える事で反応に違いをもたらすのです。

 mETCは固定化されたシナプスの連結に変化をもたらします。

 では精神療法はというと、

 ”フラクタルにフラクタルが反応し変化をもたらすこと”と言えます。

いいかえると、複雑系が複雑系を変えていくということです。

 フラクタルでなく一定の情報であれば、本や、映画などの固定化された情報のみで人は変われるはずです。

 本質的な治療と言えばコアになっているパターンの解除が一番の目標ですが、これは中々むずかしい。

理由としてはいくつかありますが、一番は

  •  遺伝子が変えられない。蛋白の発現とコントロールは一方的なカスケード反応によって規定されている。
  •  一度できたシナプス連結も同様で、細胞が死ぬ以外で接続を完全に切ることはできない。

 といういわゆる人間の”仕様”とでも言うべき、宿命です。遺伝子は後期修飾があるので今後は変わる可能性はありますし、シナプス連結も鈍化するし、技術的に可能になる可能性はありますが、(完全な脳内マッピングが可能で、おきているパターン解析が可能で、脳内のシナプス完了の連結が可能であれば、超高精度のガンマナイフで焼き切ったりできるはず。)まだ、SFの段階だと思います。

 すると複雑系が複雑系を変えるということをやっていくしかない。

 ここまでが仮定と仮説です。

複雑系が複雑系をかえるのをどう効率化していくか。

 それでは複雑系が複雑系を変えるためになにが必要かを羅列しましょう。

  • 時間
  • 共通のプロトコル、共通言語
    • 問題などの明確化。共通化。
  • 一定の問題に対し、一定のアルゴリズムによる反応。
  • 解析の時短、そのための情報収集の効率化。
  • 繰り返し(シナプス連結の固着にはどうしても必要)

 可能であれば次があると有利です。

  • モジュールが共通していること。
  • 遺伝子に基づく仕様が似ていること
  • 情報にさらされた結果うまれたフラクタルがにていること

精神科においては時間こそがコストです。治療が確定しているものを覗いて、悪化を防ぎ、人間の治癒力を促進し時間を与えることでその見返りにお金をもらっていると言える。

 多くは個人でも解決可能な問題でもありますが、それには莫大な時間がかかる。その間に悪化する可能性もある。それをふせぎ、指導し、時間を与えることで収入を得ているとも言えます。我々の終結は死ですから、時間は有限であり、健康時間を増やすことが指名でも言える。

 すると治療にかかる時間を短くすることは非常に重要なファクターとなります。

 もちろん、時間をかけたものを否定するものではなく、高級車も大衆車も、手工芸品も工業製品もこの世に存在するものは意味があり、価値がありますので治療もそうだと思いますが、精神科における疾患は生産性を下げるので対価をどう下げるかは重要な命題になります。

 こうやって俯瞰すると精神科でやられていることがまだ、産業革命の影響をあまりうけてないことが言えます。情報革命は知識のギャップをかなりうめ、治療は効率化していますし、工業革命によっておきた薬も人類を変えました。 しかし精神療法、つまり複雑系と複雑系の関わりに関することについては、まだ、手工芸の域をでていません。

 しかし、これからは必ず大きく変わると思います。 それはAIの登場によるものです。

 コラージュ療法のDXで目指すものは、人と人が言語を越えて間違えることなく理解し合える世界です。これはやってみないとわかりませんが、薬と同じように世界を変える力があるのではと思っています。

 

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