治療の根幹の考え

これはエビデンスがあるわけでなく私見なんですが、治療の本質を考える時、私は、PC 都市計画、家の建築、蟻の群れにをメタファーに考えます。

 これは、脳内ネットワークが理にかなっているようでフラクタルな振る舞いをすること、家のようにモジュール上に別れていることを表してます。

 パソコンの構造の最小単位をビットで、AND OR NOT回路のバリエーションとすると、脳は神経細胞のシナプス接続が最小単位で、興奮系と抑制系と伝達物質をつかった連結が最小単位となります。

 都市計画でいうと、道路や情報インフラが連結にあたり、ビルや家などのモジュールをつなぎます。

 一度できてしまった回路がなくなることはないところは蟻の群れと似ています。

 一つ一つ考えていきましょう。

目次

 蟻の群れとシナプス

  小さい頃、蟻の群れをみて、不思議に思いました。まずは、どこまでつづいているか後を追うとこれが延々と長いんですね。ChatGPTに聞くと最大100メートル、1メートルの幅、数にして60万匹が最大の記録みたいです。

 自分は3回ほど蟻の群れがどこからきているのかみてみたんですが、人の家に入るしなんか軒下にいったり、草のなかにいったり最後まであとをつけることはできませんでした。それにしても何十メートルも続いていることも多く不思議ですね。理屈としては二つのフェロモンをつかって居る単純な仕組みです。 この蟻の群れがどうなるのかみたくて、水をかけたりしたけどかわりません。図鑑で匂いをつかっているのを知って、スコップで掘ってみたり、土をかけたりしたのですが、これも見事にまた元にもどっていました。 

 PCと違って入力のデータのコントロールが環境などの要因に傾く人間の脳の回路はこの蟻の群れのような振る舞いをします。簡単にいえば、一度餌まで結びついたらなかなか変わらない。これはドーパミンなどの報酬系の連結では著名ですし、人の思考の柔軟さがなかなか難しいのもこの理屈です。

 なにが言いたいのかというと、シナプスの連結の強さは何度も繰り返し電気刺激が通ることで強化されていきます。その連結は基本的に維持されます。セロトニンを中心とした抑制系を利用するか、刺激が通らないようにするしかその維持を変えることはできません。これの命題は蟻の群れをどう変えるかとう命題と似ています。

例えばお酒を飲まないと決心してもそう思うだけでは蟻の群れに水をかけるようなものです。蟻の列を変えるにはシナプスがなぜ経路を作るかという仕組みを理解しないと行けません。

心と家

  心と家は非常に似通っています。例えば塀や前庭は他人と距離感を表し、リビングや部屋の機能や大きさは、脳が必要とする機能そのもと言ってもいいです。窓や玄関もそうです。

 家の一カ所に雨漏りがしたら人はどうするでしょうか

 人の心の健康は例えば一つの機能が駄目になったら、家全体の機能が破綻するわけではありません。不健康なモジュールと健康的なモジュールを同定し、そして健康的なモジュールを使用して生活の質や人生のプランを変える事が大事です。 医療としての精神科の教科書の多くは、医療としての病気モデルにあります。内科的な病気モデルは健康の定義があり、病気のモデルは健康から外れており、それを健康にもどそうとするのが典型的な医療モデルです。

 でも、精神科の場合は脳の可塑性(柔軟性)があり、別な部分を使うことも可能です。寝室が焼けて寝れないなら、キッチンでしばらくは眠る事もできるわけです。残った機能をつかって機能全体をあげるというところが他の科と大きく違うところです。 

 また増改築するためには二つあり、一つは自分が持っている材料で家を建てる。これは過去の経験や自身のマインドセットでやることと、外からもってくる人のアドバイスを聞くということに近いです。どっちが効率がいいかは明白で、そとから心の材料を持ってくる人ほど回復が早いです。学習、再学習がなぜ起こらないかは疾患によって様々な理由があり、その理由を特定するのもの大事になります。

都市のデザインと心 

 ここまで

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